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これまでの催し

◆人間力を高める 第5回 教師たまご塾


●2011.02.20教師駆け込み寺・大阪 主催 
 /人間力を高める 第5回 教師たまご塾

-- それぞれ特色ある3講座に参加された方々の「声」を集めてみました --
                          教師駆け込み寺・主宰  下橋 邦彦

◆この日は、2月にしては穏やかな天気でした。B4用紙の隅を切った「空」と書いた用紙を準備してクイズを考えていたが、使えなかった。「隅を切って」というのがこのクイズのミソなんですが。どんより曇っていたので、「こんなクイズはいかが?」と紹介だけはしておいた。
 まず、教員の方が児童・生徒の前に立った時、何をするか。その一つとして「自己紹介」があるが、ありきたりなものをやっても仕方がない。あの手この手のやり方をいくつか準備しておくことで、子ども・若者との出会い方に、大きく差がつくことはだれしも認めることだろう。

◆司会役を勝手に引き受けた主宰の下橋は、笑顔であいさつした後、4文字の自分の姓名の漢字を書いたものと、アクロスティックの要領で書いた8文の紹介用紙とを用意した。最近の、小・中学校での「いのちの出前授業」でもやった方法だ。それ以外にも、いくつかのパターンを用意しておきたい。(当日は、「ジャンケン自己紹介」「マインドマップシート」の用紙を例に配った)
 それとは別に、ゲームでもマジックでも何でもよい、なにか子どもの目を引く「技」を教室で披露するのも、距離を近づけるよい方法だ。なかにはギターを弾く担任がいて、「学級歌」を子どもらと作り、時には全員で歌っている学級もある。下橋は下手なハーモニカを吹く。そこで、この日は、後回しにせず、「日本古謡・さくら」を1曲披露した。

◆会場の雰囲気を開かれたものにするため、毎回参加者全員で「交流」をしているが、これまで「コミュニケーション・カード」に12項目書いておき、それに記入した後にペアをつくりやりとりすることを続けてきた。時には、「マインド・マップ」(小熊が柱に抱きついている絵をあしらった)に3項目[誕生月・日、名前とその由来、今日の元気度]のみ書いておき、その他は自由に各自が「自己アピール」できる項目を書いて交流することも。この日は、それともちがい、「名刺交換ゲーム」をやってもらった。「名刺交換ゲーム」とは何か?
 『ハードがなくてもハートでできる! 愛情快互』という本を書かれた、木村省三さんの(奥付)にある著者紹介がとっても面白いので、それを「木村さんの名刺」とみなし、木村さんの書いたのにならって「自分なりの名刺」をつくり、交流するという趣向でやっていただいた。時間の関係で2組のペアしか体験していただけなかったが、やってみられてどうだっただろうか?
 ここで下橋が試みているのは、いろいろと工夫すれば、子どもも担任も気持ちが楽になる、教室が明るくなる、その方法を見つけ伝えるということでした。

◆それぞれの先生方は、教室に何か「小道具」をもちこむことをしておられるだろうが、教師はいつ、何時でも、「教材になるものはないか?」とアンテナを張っている存在だと下橋は考え、日々実行しているつもりです。「小道具」も、授業活性化には欠かせないものだと思っている。先日お邪魔した中学の社会科のベテラン教師は、2時間の授業を終えて、私をある部屋に案内してくださった。なんとそこには、この先生の長年の蓄積になる「教材室」で、お面から変装用の着物から、それぞれの単元・テーマにわたる「とっておき」の小道具・大道具がそろっている。日々そういうことを心がけている堺にある中学の理科の先生を訪ねていったことも思いだした。また、西宮の若い社会科の先生をゲストに来ていただくことがこれまでに結構あったが、その方もいつも電車でなく、小道具を車に積んでやってこられる。これも教師の大事な「技」の一つだと、若い教師には伝えていきたい。ということで、なんとか前座の責めをふさいで、第1講座の講師の方にバトンタッチをしていった。

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【第一講座】
 「〝遊び″の中からまなぶコミュニケーション講座」と名打って西田淑子さんに講師をお願いした。西田さんは、ホテルウーマンを長くされたのち、心理学を学ばれ、近年企業研修を引き受けておられる。そのかたわら、2つの大学でホテルマネジメントや宿泊ビジネスの科目を担当されている。
 「教師塾をやられるなら、私出前をやらせてもらえませんか」という積極的なお申し出をうけ、駆け込み寺のスタッフとも話す機会をもうけ、お願いした。当日くわしいレジュメを用意してくださっていた。その冒頭に、「コミュニケーションの熟達への最初の段階は、自分が何を求めているかを知ることです」とあります。人は、案外「自分が何を求めているか」をわかっていない。「私は?したい」ということがわかれば、そこに向かって進むことができる。大昔から「己を知る」ことの大切さを多くの人が説いてきたが、案外自分はそういうことは解っていると思っている。じつはそうではない、というところから出発しようということだ。

◆教師の日常は、〝遊び(心)″から一番遠いところになるのではないか、と思わされる。子どもは遊びの天才だ。その子どもを相手にする大人の教師が〝遊び(心)″を知らなければ、どうなるだろうか。近代古典といっていいロジェ・カイヨワの『遊びと人間』から西田さんは「遊びについての6つの特徴」を引いておられる。①自由な活動 ②隔離された活動 ③未確定の活動 ④非生産的活動・・・といった点をかいつまんでおさえられている。言われてみれば、たしかに子どもの遊びにはこういった要素が自然に取り入れられている。とくに小学校の先生は、子どもの遊ぶ姿から、さまざまな「発見」をし、子ども存在を理解し始めるだろう。負けてはおられんなー、と。

◆実際にゲーム感覚で受講者に促した「Good & New」は、「過去24時間以内に起こった出来事のうち、良いこと新しいことを発表し、周囲は拍手で承認する」というものである。グループに分かれて、話す人がカラフルはボールやぬいぐるみなどを手に持ち話すようにすると、感覚刺激が多くなり、能力向上に役立つと言われる。というわけで、グループ内で交替に少しの時間で「きのうのこと」を語り始めた。みなさん人の話に耳を傾け、次の人にバトンタッチしていく。これの繰り返し。拍手で「自分が認められた」という感覚が体に入ってくる。

◆子どもであれ大人であれ、テープで聞くよりも実際の肉声で聞く方が明らかに脳が活性化する。これは日本でもすでに証明済みのことだ。この実験は、「社会的な人との関わりが重要」であることを教える。学校という場は、まさに「社会的な人との関わり」の場だ。この場で体験することが「人とのつながり」となり、「人を育てる」のだ、と。
 その場合、第二講座とも関係するが、担任や教科で教師が肉声で「語りかける」「音読する」「声かけをする」ことが必須の条件となる。そして、それを生徒たちがどう受けとめたか、そのリアクションを知ることが大切だ。そこでの「やりとり」が意味を持つ。

◆以前担当している学生に「ポジティブセルフトーク」と「ネガティブセルフトーク」を書き込んでもらったことがあった。「ポジティブ」の方はなかなか出てこないが、「ネガティブ」の方はわりと書きこまれていた。つまり、自己肯定感が持てない学生(若者)が多いということだろう。これはしかし、若者にかぎらない。たえずマイナス思考におちいる人がいる。他人の評価についても一面から否定的に見がちだ。そういう否定的な他者評価をしている自分に気づいて愕然とすることがある。西田さんは、もう一つ進んで、「プラスがマイナスにも見える、その逆もある」という例を挙げながら、同じ事柄のどちらを見るか・意味付けするかで、大きく違ってくる、それは「心」だけでなく「体」が反応していると、「心身有機一体」という言葉を使われた。
例えば、
 ①とっつきやすい人⇔軽はずみな人
  ②粘り強い人⇔執念深い人
  ③行動力がある⇔落ち着きがない
・・・このようにどちらにとるかで、その人の「評価」が著しく違ってくる。

◆最後に、パワーアップシートに記入してもらうということも。ただし、これは提出を求められなかった。私たちは、子ども等に「提出」を求めがちだが、「まあ、気に入ったらやってみて」というくらいのおおらかさがあってもいいかなと思わされた。6つの項目があり、「今日チャレンジしたことは何?」「今日できたことは何?」「それは未来にどのように役立ちそう?」「今日の改善点は何?」・・・といった項目が並んでいる。(ただし、西田さんは「何か?」と「か」を付けられていたが、私は「何?」とした。この違いおわかりでしょうか?)
 たくさんの準備をして臨んでいただきました。ありがとうございます


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【参加者の声】
 *1  としこ先生、ありがとうございました。/ほんとうに些細なことでつまずいている生徒へかけてあげられる言葉が見つかりました。シモ先生誘ってくださってありがとう!
 *2  教師の在り方が指導そのもの!!いつでも子どもたちに胸をはれる生き方をしていきます!!
 *3  ポジティブシンキング!ものは考えようで多面的に人も自分も見られるようになりたいと思いました。
 *4  一期一会。人と人との出会いを大切にしてがんばっていきたいです。
 *5  皆さんとお話しできたり、自分をふり返ったり、楽しかったです!!明日からまたがんばります!
 *6  リード・ザ・セルフ--まずは自分が変わる!!
 *7  目からウロコでした。多くの気づきがありました。
 *8  心身ともに疲れる毎日ですが、意味のつけかえを上手にして乗り越えよう!
 *9  意味のつけかえで、子どもたちの良さを見つけたいと思いました。
 *10  気持ちの持ちよう一つで、ここまで世界が違って見えるのかと、思わされたひとときでした。本日は本当にありがとうございました。
 *11  ポジティブ思考には、福来る ~人との関わり、出会いが人を変える~
 *12  今日は西田先生の講座で実際に色々と体験でき、一つまた自分の中の引き出しができました。まだまだ仕事を始めて間もなく、引き出しが少ないので、今後もこのようなチャンスを大切にしていきたいです。
 *13  異なる校種や他市の方々と話せて、とてもいい刺激を頂きました。家で座学もいいけれど、人と関わって学ぶことの大きさも強く実感しました。/講師の方の話は、仕事の面で大変参考になりました!が、それだけでなく、私のこれからの人生にも大きな刺激となりました。本当にありがとうございました。
 *14  〝終わりよければすべてよし″もわかるが、日々の生活、人生の終わりまでのプロセスの大切さを感じる。特に信仰心はないが、〝祈り″の気持ちを考えるこの頃です。
 *15  声かけ一つに教師の心の持ちようが現れる。が、なにより自分の身体感覚をきたえる場を求めていくことが大事だと感じました。まずは体から、そして五感をフル稼働していく暮らしをしていく。
 *16  今日はありがとうございます。心からあなたに感謝!あなたの豊かな未来を心から祈ってます。

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【第二講座】
 「ココロに効く音読指導」という題で行われた。講座の担当をお願いしたのは石橋淑子さん。第一の淑子(としこ)さんとまったく同じ淑子(としこ)さんです。不思議な、御縁ですねと西田さん、石橋さんもびっくりなさっていた。この石橋さんと知り合ったのは、昨年秋、門真市の小学校で教員をしている卒業生から「一度授業を見に来て下さい」との誘いがあって出かけたことがきっかけだ。
 この小学校は、日本語力を高めるために市の指定校をとり、「音読指導」にこの2年間取り組んできた。3年計画の真ん中にあたる今年度の秋というちょうど中間に「音読発表会」をするという。「来られますか?」と校長先生からお誘いがあって、「ぜひとも」とお願いして1週間後また訪ねた。そこで石橋さんに初めてお会いした。
 石橋さんが「音読」の示範授業をされ、その刺激の下、先生方が学年・学級で取り組んできた音読の発表の場に石橋さんも来ておられたのだ。帰りがけに名刺をいただき、「一度訪ねさせてください」と石橋さんがやっておられる「まねび塾」訪問をお願いした。12月6日それが実現し、1時間半にわたる英語と日本語のリスニングと音読の実際の場面を見せていただいた。その教室全体に、先生方の凛とした声がひびき、子どもたちはそれを聞いてゲーム感覚で動いた。そのうえで、次々と詩や文章を声に出して音読していった。
とても心地よい空間を体験させていただいた。それで、厚かましくもその場で「教師塾の講師をお願いできませんか」と申し出、承諾を得たのだった。

◆やはり3枚のレジュメが用意されていた。それに目を向けると、「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」と力説されている数学者の藤原正彦の言葉が引かれている。藤原氏といえば、作家・新田次郎を父とし、『流れる星は生きている』の著者・藤原ていを母として育った方だ。この遺書のつもりで書かれた全編には、幼い「命」を守る、すさまじいばかりの母親の執念と知恵があふれている。敗戦前後の緊迫した満州からの脱出、逃避行の中で、夫新田次郎とともに藤原ていは3人の子の「命」を、あらゆる苦難の中守り通して日本に戻って来た。

◆それはともかく、この藤原氏の力強い宣言に導かれながら、石橋さんは「音読教育の目標:日本語の感性を高め、日本語の言語能力を高める」ことを目指しておられる。そして「どんな言葉にふれるかで、言葉に対する感性や能力は変化し、上達する」「名文にたくさんふれた子ほどいい文章が書ける、いい表現ができるはず」との信念をもって「まねび塾」で子どもたちに対しておられる。以下、具体的な「指導法」が述べられている。その上で、「指導法の実際」を演じられる。門真の小学生も、力いっぱい声を出していたが、レジュメの最後に書かれている「音読は人を変える?豊かな言葉が身につけば人間性が磨かれる〈能力が・・性格が・・〉-子どもの自尊感情を育てるーを地でいった指導には定評があり、各地の学校から声がかかり、遠方にも出かけておられる。この日も、大変な状況にあって、かなりきつい日程をさいて来て下さった。

◆「あ」「い」「う」「え」「お」の発音をまずしっかりと。それを動作をつけながらやっていく。「あといはちがう」「いとうはちがう」「えとおもちがう」―その母音の「口の形」が一目でわかるように子ども等が考えてくれたモノです、と図を掲示して、それを見よう見まねで発音していく。どうも動作と声が合わない。でも、中には大きな明瞭な発音で声が出ている参加者もいる。・・・名文数編が印刷され渡される。それを見ながら声を出す。宮沢賢治『雨にもマケズ』全文、太宰治『走れメロス』の一部、それらを音読する前に、発声練習によく使われる北原白秋の「五十音」で練習する。「お口の体操」で準備運動だ。「あめんぼ赤いな ア イ ウ エ オ/浮藻に小えびもおよいでる・・・」。古文にも挑戦する。「竹取物語」の冒頭。漢詩もとりあげる。・・・またたく間に時間がきてしまう。


【参加者の声】
*17  お腹の底から声を出し、テンポとリズムにのれば、音読はとても楽しくなる!!ぜひ明日から実践してみたいです。 
 *18  まずは我が子といっしょにとりくみます!!
 *19   3歳の娘がいるのですが、何から始めたらいいですか?
 *20  最初は声を出すのがとてもためらわれましたが、テンポよく声をだしていくうちに、だんだん楽しくなってきました!
 *21  頭と体をよくつかって集中できた時間でした。明日から短時間ずつでもやっていきます。
 *22  疲れた「あ」「い」「う」「え」「お」でした。
 *23  うちの子供は音読が大好きです。先生に教えてもらった〝あいうえお″家に帰って試してみます。
[^( )^]
 *24  声を出す大切さを改めて考えさせられました。音読は、身体全身から受けとめるためには大切な手段であると感じました。
 *25  音読、きもちよかったです!石橋先生の発音のクリアさが、とても素敵でした。
 *26  声を出すって気持ちいいですね。とても楽しい体験授業でした。ありがとうございます。
 *27  音読もそうだけど、子どもには負けますね?。「読解」より、まずは「音読」ですね!
 *28  音読は楽しい。けど、意味を込めながら読みたくなってしまいます。
 *29  最近日常的に下腹に力を入れて大きな声を出すことが少なくなってしまった。声は全身全霊の運動であり、人間表現であることを実感した。
 *30  会場内の雰囲気にびっくりしました!!参加者のみなさんの声が、胸に響いてくるように感じました。

 みなさん、一様に「声を出す」ことの素晴らしさを実感されたようですね。明日から少しずつでも実行していきたい、子どもと一緒に、という声が自然に出てくるくらい素敵な場面でした。意味が分かろうが解るまいが、まずは体に入れていく。童謡の歌詞など意味が分かって歌っているわけではない。まちがって歌詞を覚えていることっていくらでもある。それでいいのではないでしょうか。

 有名な逸話ですが、向田邦子さんの初エッセー集が本になりました。題して『眠る盃』。この題の謂れをご存知でしょうか。瀧廉太郎作曲・土井晩翠作詩の「荒城の月」は、「春高楼の花の宴/巡る盃影差して」で始まります。少女時代の向田さんはこの歌詞を「春高楼の花の宴/ねむる盃影差して」とまちがって覚えていたんだそうです。随分後、大人になってそのまちがいに気づいたらしい。そこで…例の題のエッセー本ができたという訳です。向田さんらしい、シャレですがね。

 もう一つ、山口県の萩に旅をした折のこと。松下村塾のゆかりの資料館に寄ると、吉田松陰の「ことば」を編集したテキストが売っている。さっそく求めたが、それは毎朝、小学校で1年生から6年生まで、それぞれ「朗誦」するのだそうだ。そのテキストを編集された方は、「朗誦」の教育的意味を説かれていたが、「意味を理解できなくても、まず体が覚えることが大事です」と書かれていた。まったく同感だ。毎朝小学生が各教室で「朗誦」する姿を想像すると嬉しくなる。

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【第三講座】
 「先輩教師は語る」ということで、小・中・高校のそれぞれの若い人に来ていただいた。小・中の先生は、数年の経験者。高校は2年目。経験違いを越えて、子どもや若者に迫っていくことの大変さは共通している。最初3分で「自己紹介」(自己アピール)、そのあと各10分くらいで学校・職場の状況で日々大事にしていること、つらいこと、失敗したことなどをこもごも語っていただいた。

◆レジュメを用意してくださった中学の方のを見てみると、「教職覚書」?知っておくと良い いくつかのこと?とある。20項目くらい挙げている。

・ 一年目のしんどさ。やることが多い。それをクリアするためには?
・ 学校→学年→学級→個人の順の優先順位
・ 「記憶より記録」・・・メモ魔のススメ
・ 使う言葉を選ぶ(生徒が使う言葉を使うな)
・ リーダーを育てよう(クラスの、生徒会の)
・ 授業で勝負!(オモシロイではなく@教科内容で勝負する)
・ 外に出て勉強する(お金を出してでも聴きたい人、いますか?)-昔は「身銭を切る」と言いました
・ 無理するな。休みときは休む。何もするな。

 こういう項目が20以上並んでいる。ざっと並んでいるようで、数年の教職経験から割り出されたものばかりだろう。

◆小学校の方は、新任研修による「枠はめ」の厳しさから、新任同士の横のつながりをつくっていく必要を痛感され、「センセの放課後(仮称)」という場を開いている。少人数であっても、とにかく集まって、グチをこぼしたり、「こんな場合どうする?どうした?」といった情報交換もする。ここだけでなく、京都には「エデユカフェ」という若い先生の集まる場が3カ所もできている。感心するのは、忙しいなか自分や自分の周辺で起こっていることを原稿にして雑誌に載せている。この努力がうれしい。

◆高校の方は、世間であるイメージをもたれている高校に勤務して、2年がたとうとしている。学校が続かない生徒がたくさん退学していく。とにかく生徒に声をかける。授業のない時間は、職員室にこもらず、とにかく廊下に出、教室を飛び出す生徒をつかまえて話しこむ。一度も言うことを聞かなかった生徒が、退学する際、はじめて「お世話になりました」と教室を出しなに頭を下げた。勉強についていけなくて、「学校なんかやめたる」と飛び出す。しばらくして会うと、「やっぱり学校のほうがラクや。仕事しんどい」という。髪の毛を染めてくるのは当たり前。そうした生徒に「規則やから守れ」というだけの指導はしたくない。卒業の時「この学校卒業できてよかった!」と言える生徒にしたい。そのためには、体も張る。1年目から生活指導の係になり、「こいつら賢うせなあかん」というおもいでぶつかっていく。先輩教師が「仕事は生徒が帰ってからできる。生徒が学校にいる間は、生徒とつきあえ」と教える。彼の熱いおもいは、参加者の胸に響いたはずだ。

◆この4月から高校に初任で赴任する予定の(私が「人権教育論」の科目担当だった)4回生の学生をこの「教師塾」に誘った。すると、しばらくして電話がかかってきた。「センセ、やめとくわ。いろんな人に聞いたけど、大丈夫やっていける」というのだ。こういう甘い考えをもっている人にこそ、こうした講座を受けてほしいと思うのだが。こういう人は、上に報告をしてくれた人の高校に配置されたら、ひとたまりもないだろう。 

◆3人のパネラーの方同士のやりとりも聴きごたえあるものだった。もっと多くの人に聞いてほしかった講座内容だ。教師が荒れた生徒を追っかけるだけではダメだ、生徒同士を「出会わせる」ことで生徒は変わっていく、といったそれ自体は「正しい」指導法も、きびしい状況におかれた学校に勤務する教師にどう響いただろうか。若い教師を励まし、支えるとはどういうことなのかを考えさせられる場面だった。

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【参加者の声】
 *31 「チーム意識」-『力を貸してくれ!!』コレはいい! 
 *32  とても暑い、熱い素晴らしい一日でした。
 *33  いろいろな方の話を聞けて、興味深かったと同時に、「こうしたらいい」という答えは一つではない、とも感じました。先生方一人ひとりの熱い想いが伝わってくるお話でした。
 *34  「チーム一丸」-教員全体が手を取り合って子どもの成長や教員自身の成長に全力を尽くしている様子を知り、胸が熱くなりました。こんな職場にしていきたいです。
「子どもとの関係」-もちろん子どもたちの話を聞きたい、一緒に遊びたい。でもそんな時間がなかなかとれない。今後の課題です。
 *35  約4年間勤務していた中学校の社会科を一度引退して、4月から高校に赴任することになったのですが、中学ではあまりできなかった、自分の思いをストレートに伝えることを高校生には実践していきたいと思いました。
 *36  聞きにきて良かったです。建て前的なことではなくて、「気持ち」が入っている言葉をみなさんがおっしゃられていて、四月からの教員生活に向けて、本当にもの凄く参考にもなったし、モチベーションもあがりました。やり方はそれぞれですが、その根本に流れているものが大切なのだと、あらためて実感しました。ありがとうございました。
 *37  非常に貴重なお話をいただいて、ありがとうございました。
 *38  実際の現場の声がきけて、うれしかったです。熱い情熱をもった先生たちにお会いできたことで、勇気がもらえ、ためになりました。
 *39  3人のお話、自分の教師生活をふりかえらせてくれました。解放教育実践交流集会の報告とオーバーラップするところが幾つかありました。これからの実践を期待しています。
 *40  3人の先生、ありがとうございました。心に残る話、熱い話、愛のこもった話、とてもよかったです。
 *41  いつまでも今の「初心」を大事にしてください。子ども、生徒と本気で向き合う、そのやり方はさまざまでしょうが、しんどい生徒ほど教師を見抜く力をもっています。

 3講座すべてに参加して、最後の3人の方たちのやりとりを聞いてほしかったな、いろんな都合で参加できなかった人も、耳を傾けてほしいなと、切に思った。せめて、この〈まとめ〉なりと読んでいただいて、その一端なりを感じ、うけとってほしいと思います。

 終了後、恒例の「ノミニケーション」を近くの居酒屋でおこなった。新任も年配者もへだてなく、席を替わりながら、楽しく雑談をした。4時間近くがあっという間に過ぎていった。
                                         
                                   (まとめ文責:下橋 邦彦)


 

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